天皇の軍事輔弼体制

著者
飯島直樹/著
出版社
名古屋大学出版会
発売日
2025年04月11日
価格
6,800円+税
ISBN
978-4-8158-1192-1

内容紹介

「輔弼」として知られる天皇への助言システムは、昭和期までは有効に機能し、軍統制の一大焦点となっていた。天皇ー軍関係の核心を、明治の建軍から二度の大戦まで初めて統一的に解明。多角的な輔弼構造の形成と衰微を実証し、軍部の台頭や戦争責任問題にも新たな光を当てる意欲作。
 凡 例

序 章 天皇と陸海軍の近代史
     1 問題の所在 -- 政軍関係史のなかの天皇
     2 課題と分析視角 -- 陸海軍の自律化をめぐる天皇ー軍関係
     3 先行研究と本書の構成
       --「天皇の軍隊」をめぐる政治史的・軍事史的研究の接合

  第1部 天皇の軍事輔弼体制と軍統制

第1章 明治天皇の軍事指導と軍事輔弼体制の始動
      -- 元帥府・軍事参議院の成立
     はじめに
     1 元帥府設置以前の軍事輔弼体制
     2 元帥府の設置・運用と陸海軍対立
     3 軍事参議院の設置と元帥府改革構想
       -- 軍事輔弼体制再編の試み
     おわりに

第2章 大正天皇の第一次世界大戦
      -- 戦争指導の実態と軍事輔弼体制
     はじめに
     1 大正天皇の登場と軍事輔弼体制
     2 大正天皇と第一次世界大戦
     3 大正天皇と軍事輔弼体制の親和性
     おわりに

  第2部 陸海軍の軍事輔弼体制と軍統制

第3章 軍政優位体制と軍事輔弼体制の相克
      -- 陸軍の軍事輔弼体制再編とその影響
     はじめに
     1 元帥個人への公式下問停止問題
     2 「臣下元帥」生産凍結論と陸海軍
     3 陸軍による軍事輔弼体制再編と海軍・宮中
     おわりに

第4章 陸海軍「協同一致」の論理の動揺
      -- ロンドン海軍軍縮条約の衝撃
     はじめに
     1 日露戦後の元帥府と軍事参議院の機能
     2 ロンドン海軍軍縮条約批准時の陸海軍連携
     3 海軍単独軍事参議会開催とその影響
     おわりに

第5章 陸海軍の統制力強化構想と「臣下元帥」
      -- 最後の「臣下元帥」東郷平八郎と陸海軍
     はじめに
     1 最後の「臣下元帥」東郷平八郎と海軍の軍事輔弼体制
     2 昭和天皇と「皇族元帥」
     3 2・26事件と軍事参議官
     おわりに

第6章 戦時期の元帥府復活構想と昭和天皇の戦争指導
      -- 戦争指導体制と軍事輔弼体制の交錯
     はじめに
     1 皇族総長更迭と元帥府復活構想
     2 太平洋戦争期における「臣下元帥」再生産論の台頭
     3 戦争末期の戦争指導体制と元帥府復活構想の帰結
     おわりに

終 章 近代日本の天皇と「軍部」
     1 天皇の軍事輔弼体制
       -- 明治天皇・大正天皇の軍事指導と陸海軍
     2 陸海軍の軍事輔弼体制
       -- 陸海軍の自律化と昭和天皇の軍事指導

 註
 参考文献
 あとがき
 初出一覧
 図表一覧
 事項索引
 人名索引