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理想のリスニング

「人間的モヤモヤ」を聞きとる英語の世界

著者:阿部公彦/著
価格:2,300円+税
刊行日:2020/10/13

出版社:東京大学出版会
ISBN:978-4-13-083081-2
Cコード:1082
[単行本](英米語)


内容紹介

すべては「聞く」からはじまる――日本語話者のための英語習得法
「英語は聞きとりになるとさっぱり…」「英語学習,どこから始めればいい?」――そんな方は,まずは英語の運動感覚を身につけよう! 「聞く」を通して,英語力の基礎をつくるための考え方や練習法を解説.単なる「実用英語」に終わらず,現実のコミュニケーションの土台となる気分,態度,思惑などの「人間的要素」までを重視する.語学の本来の意義も考える一冊.

もくじ

はじめに

何から始めるか/言葉と「運動」/「四技能」でほんとうに「使える英語」?/英語の「本番」はどこ?/四技能「均等」は可能か?/ポスト四技能の時代/本書の概要/[はじめにのポイント]

Ⅰ 理論編

第1章 なぜ,まずリスニングなのか――「聞くこと」の深み

「四技能」という区別を疑ってみよう/「聞く」VS.「読む」「書く」「話す」/「聞く」の深み/「聞く」と受動の技術/言葉が「うまい」とは?/言語の心地良さ/[第1章のポイント]

第2章 言葉はどう聞こえるか――「心地良さ」から「過剰さ」まで

皮膚感覚と言語コミュニケーション/「心地良さ」と協調性/逸脱の力/「言葉を使いすぎる」ということ/「過剰さ」を聞く/「何となく」が見えるように/[第2章のポイント]

第3章 言葉をどう受け取るか――「強さ」の上手な使い道

意味のある意味/英語はどう聞こえるか/「等間隔」をめぐる誤解/英語的「強さ」はどう表現されるか/「あ,始まったな」の知恵/私たちはいつ失敗するか/[第3章のポイント]

第4章 リスニング練習の秘術とは――退屈さと「一点聞き」を生かす

耳は言葉の入り口/「退屈さ」こそがツボ/「おもしろくなさ」を上手に使って「わかる」へと至る/「退屈」を活用する/「わかる」の達成感/リズムの「マンネリ」と付き合う/「一点聞き」の土台をつくる/「切れ目」には何がある?/[第4章のポイント]

第5章 聞き方は鍛えられるか――「耳の記憶」を活用する

耳も記憶するのか?/薄暗い記憶の使い道/残響への反応を鍛える/名前を聴く/耳が不得意な日本語話者/日本語が英語の邪魔をする/固有名詞で練習する/[第5章のポイント]

第6章 身体・空間で聞くとは――「実存英語」のすすめ

声のインパクト/発音のための身体/子音を攻略するために/響きの違いを聞く/単語は身体の一部/youがうまく言えない/「実用英語」よりも「実存英語」/[第6章のポイント]

第7章 人間を聞くとは――「伝え聞き」の秘密

残る言葉、消える言葉/残響としての『フランケンシュタイン』/立ち聞きと英語圏文化/「聞き届け」の意味/「小僧の神様」の「漏れ聞こえ」/虎の声の威力/[第7章のポイント]


Ⅱ 技術編

第8章 山と谷を感じる――野ウサギを追い回さない

野ウサギを捕まえる/どこを聞くか/英語の「音の価値感」/音を感じる/まずは単語の「山」から/「山」をとらえる練習/[第8章のポイント]

第9章 切れ目をとらえる――優先順位とニュアンス

「切れ目」をとらえるために/聞こえすぎると聞き取れない?/ピラミッドでとらえる/シャーロック・ホームズの想像力/第一ステップ――時間構文の例/第一ステップ――原因・理由構文の例/第二ステップ――長めの文章による練習/体の事情としての切れ目/息つぎは「意図」だらけ/節を教える切れ目/切れ目と感情/[第9章のポイント]

第10章 名前を押さえる――必要な情報の察知

「点」から始める/「知っている語」を聞き取る/練習問題の応用例/「固有名詞」を聞く/「名前がくるぞ!」という予感/[第10章のポイント]

第11章 空間に慣れる――諸技能を連携させる

実存英語の実践/折り紙の方法/料理のつくり方を聞く/指示の作法/ヨガのやり方を聞く/ヨガと気分/四技能より三次元/[第11章のポイント]

第12章 人間を理解する――言葉を聞くことの意味

言葉は「物」なのか?/「人間を聞く」とは?/欲望を聞く/何を勉強すればいいか?/問いなのか,断定なのか,何を問うているのか/キーワードを聞く/主張なのか,例なのか,仮定なのか/[第12章のポイント]

あとがき

英語スクリプト・訳・解答例

阿部 公彦

東京大学大学院人文社会系研究科教授