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数の発明

私たちは数をつくり、数につくられた

著者:ケイレブ・エヴェレット/著 屋代通子/翻訳
価格:3,400円+税
刊行日:2021/05/08

出版社:みすず書房
ISBN:978-4-622-08964-3
Cコード:1040
[単行本](自然科学総記)

人類はかつて数を知らなかった。数を持たない社会の人々、幼児や動物の量の認識、諸言語に残る痕跡を通して、数の発明の経緯を探る。



内容紹介

“なぜ人類だけが、どこまでも数を数えられるのか。それは、ヒトが生得的に数の感覚を持っているからだ”――数は、私たちの思考に深く根付いている。だからこの説明は、一見するともっともらしい。
しかし、アマゾンには数を持たない人々が暮らしている。幼少期、宣教師の父とともにこのピダハン族と暮らし、人類学者となった著者によれば、数は車輪や電球と同じ「発明品」であるという。
「数の感覚」がまったく存在しないというわけではない。ピダハン族や乳児の調査によれば、彼らは数についてごく限られた感覚を持つ。人類は長い間、この曖昧な感覚だけで生きてきたのだ。
そして私たちも、幼い頃は数のない世界を見ていた。今、数がわかるのは、かつて発明された数体系を受け継いだからこそである。各地の言語には、身体やさまざまな物を足がかりに発明が起きた跡が残されている。そしてピダハン族のように、発明が起こらなかった例も存在する。
「わかったのは、ピダハンについてではなく、人類すべてに関することだ」。考古学、言語学、認知科学、生物学、神経科学に散らばる手がかりを横断し、数の発明の経緯を探り、その影響を展望する書。

もくじ

序 人間という種の成功

第一部 人間の営為のあらゆる側面に浸透している数というもの
1 現在に織り込まれている数
2 過去に彫りこまれている数
3 数をめぐる旅──今日の世界
4 数の言葉の外側──数を表す言い回しのいろいろ

第二部 数のない世界
5 数字を持たない人々
6 幼い子どもにとっての数量
7 動物の頭にある数量

第三部 わたしたちの暮らしを形作る数
8 数の発明と算術
9 数と文化──暮らしと象徴
10 変化の道具

謝辞
訳者あとがき
原注
索引

ケイレブ・エヴェレット

マイアミ大学人類学部教授、同学部長。専門は人類学・言語学。言語と非言語的な認知・文化・環境の相互作用に関心を持つ。著書にNumbers and the Making of Us: Counting and the Course of Human Cultures(Harvard University Press, 2017, 『数の発明』屋代通子訳、みすず書房)、Linguistic relativity: Evidence across languages and cognitive domains(De Gruyter Mouton, 2013)。父は『ピダハン』(屋代通子訳、みすず書房、2012年)の著者のダニエル・L・エヴェレット。幼少期に宣教師の父とともにピダハン族の村で過ごした。『数の発明』はSmithsonian誌が選ぶ「2017年の10冊」に選ばれ、同年の米国出版社協会の学術出版賞The PROSE Awardを受賞した。

屋代通子

翻訳家。訳書にキム・トッド『マリア・シビラ・メーリアン──17世紀、昆虫を求めて新大陸へ渡ったナチュラリスト』、ダニエル・L・エヴェレット『ピダハン——「言語本能」を超える文化と世界観』、ケイレブ・エヴェレット『数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた』(以上みすず書房)、トリスタン・グーリー『ナチュラル・ナビゲーション』『日常を探検に変える』(以上、紀伊國屋書店)、ケン・トムソン『外来種のウソ・ホントを科学する』、デヴィッド・G・ハスケル『木々は歌う』、マーク・プロトキン『シャーマンの弟子になった民族植物学者の話』、ジョン・エイバイズ『遺伝学でわかった生き物の不思議』、ナイジェル・コールダー『オックスフォード・サイエンス・ガイド』(以上築地書館)など。自然科学系翻訳に取り組む傍ら、被暴力体験のある若者の自立支援に携わり、その方面の仕事ではイギリス保健省・内務省・教育雇用省『子ども保護のためのワーキング・トゥギャザー』(共訳・医学書院)などがある。