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医師が死を語るとき

脳外科医マーシュの自省

著者:ヘンリー・マーシュ/著 大塚紳一郎/翻訳
価格:3,200円+税
刊行日:2020/12/14

出版社:みすず書房
ISBN:978-4-622-08966-7
Cコード:0036
[単行本](社会)

英国を代表する脳外科医が生命と人生の意味を問い、患者たちの死、そしてやがてくる自らの死に想いを馳せる自伝的ノンフィクション。



内容紹介

「安楽死が認可されていない場合に私たちが迫られる選択は、すぐに悲惨な死を迎えるか、数カ月以上先延ばしにして、後日悲惨な死を迎えるかのどちらかということになる。驚くには値しないが、私たちのほとんどは後者を選択し、どれほど不快なものであっても治療を受ける」
イギリスを代表する脳神経外科医マーシュは、国民保健サービス(NHS)によって様変わりした医療現場に辟易し、勤めていた病院を去った。旧知の外科医たちを頼り、行きついた海外の医療現場――貧困が色濃く影を落とす国々の脳神経外科手術の現場でも、老外科医は数々の救われない命を目の当たりにする。
私たちにとって「よき死」とはいったい何なのだろうか? それは私たちに可能なのだろうか? そして、私たちの社会はそれを可能にしているのだろうか?
マーシュは実感を込めてラ・ロシュフコーの言葉を引く――「私たちは太陽も死も、直視することができない」。該博な知識から生命と人生の意味を問い、患者たちの死、そしてやがてくる自らの死に想いをめぐらせる自伝的ノンフィクション。

もくじ

序文
1 水門管理人のコテージ
2 ロンドン
3 ネパール
4 アメリカ
5 覚醒下開頭手術
6 心脳問題
7 象に乗る
8 弁護士たち
9 ものづくり
10 割られた窓
11 記憶
12 ウクライナ
13 申し訳ありませんでした
14 キタリス
15 太陽も、死も
謝辞
訳者あとがき

ヘンリー・マーシュ

1950-。イギリスを代表する脳神経外科医。オックスフォード大学で哲学・政治・経済を学んだのち、ロイヤル・フリー・メディカル・スクールで医学を学ぶ。ロンドンのアトキンソン・モーリー病院、セントジョージ病院で30年以上脳神経外科医を務めた。2010年、大英帝国勲章受勲。出演したドキュメンタリー番組Your Life in Their HandsとThe English Surgeonでも数々の賞を受賞した。著書にAdmissions: A Life in Brain Surgery(Weidenfeld & Nicolson; 『医師が死を語るとき――脳外科医マーシュの自省』みすず書房)、Do No Harm: Stories of Life, Death and Brain Surgery(Weidenfeld & Nicolson; 『脳外科医マーシュの告白』NHK出版)がある。

大塚紳一郎

1980年、東京都に生まれる。臨床心理士・公認心理師。2002年慶應義塾大学文学部卒。2009年甲南大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、大塚プラクシス。訳書 ランク『出生外傷』(共訳、2013)メツル/カークランド編『不健康は悪なのか』(共訳、2015)ユング『ユング 夢分析論』(共訳、2016)同『心理療法の実践』(共訳、2018)同『分析心理学セミナー』(共訳、2019)チェインバーズ『心理学の7つの大罪』(2019)マーシュ『医師が死を語るとき』(2020、以上みすず書房)フェレンツィ『精神分析への最後の貢献』(共訳、岩崎学術出版社、2007)。