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鳥類のデザイン

骨格・筋肉が語る生態と進化

著者:カトリーナ・ファン・グラウ/著 川上和人/監修・翻訳 鍛原多惠子/翻訳
価格:6,300円+税
刊行日:2021/07/26

出版社:みすず書房
ISBN:978-4-622-08989-6
Cコード:1040
[単行本](自然科学総記)

生きる上で飛行とは何か。鳥類はこの問に1万種ものデザインで答えた。200点超のイラストと解説で進化の機能美と多様性を示す書。



内容紹介

もし空を飛べるとしたら、どう生きるか。その答えは、鳥たちのくちばしや足の形、翼の曲線に表れている。
飛ぶことは、鳥類のボディプランに厳しい制約を課している。羽ばたきの負荷に耐える堅牢な胴体、その可動性の小ささを補う長く柔軟な首、後肢のみで立つための姿勢。基本的なデザインは驚くほど一貫している。
しかしその一方で、飛行能力によって驚くほど多様なライフスタイルへの可能性が開かれ、そしてそれぞれの生態に応じた、1万種ものデザインが生まれた。たとえば、森林での機動性を重視するもの、長時間の滑翔やホバリングを得意とするもの、暗視能力や聴覚を磨いて夜間に行動するものなど。鳥類は世界中のニッチに進出している――そしてなかには、飛行能力を捨てたものもいる。
著者は、25年をかけて鳥の死骸を集め、骨格にし、ポーズをとらせて、その機能美を見事に描き出した。
本書は、羽の下に隠された恐るべき進化の多様性を、卓抜したイラストと軽妙な解説で示している。

もくじ

謝辞
種名にかんする注記
はじめに

第1部 鳥類の総論
胴体/頭と首/後肢/翼と尾

第2部 鳥類の各論

Ⅰ タカ目
ハゲワシとコンドル/タカ/フクロウ

Ⅱ カササギ目
オウム/エボシドリなど/カワセミ/サイチョウとその仲間/オオハシとゴシキドリ/キツツキ/ハチドリ

Ⅲ カモ目
カモ類、〈家禽化されたカモ類〉/ペンギン/アビ/カイツブリ/アホウドリ、ミズナギドリ、ウミツバメ/ネッタイチョウとグンカンドリ/ペリカン/カツオドリ/ウとヘビウ/カモメ、アジサシ、ハサミアジサシ、トウゾクカモメ/ウミスズメ

Ⅳ シギ目
フラミンゴ/サギ/ハシビロコウ/コウノトリ、トキ、ヘラサギ/ツル/クイナ/カグー/シギ・チドリ

Ⅴ キジ目
キジ、〈ニワトリ〉/サケビドリ/ツメバケイ/ダチョウ、キーウィ、その他の平胸類/シギダチョウ/ノガン/サケイ/ドードーとロドリゲスドードー

Ⅵ スズメ目
ハト、〈イエバト〉/ヨタカ/アマツバメ/スズメの仲間

索引

(本書の章立てはあえてリンネの『自然の体系』にならっています)

カトリーナ・ファン・グラウ

(Katrina van Grouw)元英国自然史博物館鳥類コレクション学芸員。剝製師であり、経験を積んだ鳥類標識調査員でもある。ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでファインアートと博物画を、その後独学で進化生物学とその歴史を学び、現在は「科学と芸術の中間地帯に身を置いて」いる。『鳥類のデザイン』(原題The Unfeathered Bird、鍛原多惠子訳、みすず書房)は著者のライフワークであり、25年の時間をかけて制作された。他の著書にBirds (Katrina Cook名義、2011年)、Unnatural Selection (2019年)がある。

川上和人

1973年生まれ。東京大学農学部林学科卒、同大学院農学生命科学研究科中退。農学博士。現在、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所野生動物研究領域チーム長(島嶼性鳥類担当)戦略研究部門生物多様性・気候変動研究拠点生物多様性研究室併任。専門は鳥類学。主な著書に『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』(新潮社、2018)、『鳥類学は、あなたのお役に立てますか?』(新潮社、2021)、『鳥肉以上、鳥学未満。』(岩波書店、2019)、『鳥の骨格標本図鑑』(文一総合出版、2019)などがある。

鍛原多惠子

訳書にコルバート『6度目の大絶滅』(NHK出版、2015)、ダンバー『人類進化の謎を解き明かす』(インターシフト、2016)、ウルフ『フンボルトの冒険』(NHK出版、2017)、アッカーマン『鳥! 驚異の知能』(講談社、2018)、ホニグスバウム『パンデミックの世紀』(NHK出版、2021)ほか多数。