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カルマン 行為と罪過と身振りについて

行為と罪過と身振りについて

著者:ジョルジョ・アガンベン/著 上村忠男/翻訳
価格:4,200円+税
刊行日:2022/07/12 [ calendar_today Google ] [ calendar_today Yahoo! ]
出版社:みすず書房
ISBN:978-4-622-09525-5
Cコード:1010
[単行本](哲学)

カルマンは漢訳仏典では業。タントラ仏教でアートマン(真我)は踊り手だ。目的と意志の固着を解いた「純粋な手段」の政治を求めて。



内容紹介

「カルマン」というサンスクリットは漢訳仏典では「業(ごう)」と訳される。この「カルマン」と「制裁しうる人間の行為」を指すラテン語の「クリーメン」とは近接した関係にある。
さらに、人間の行為が制裁可能な行為であるためにはそれが意志による行為でなければならないというのが、キリスト教神学以来の西洋文化における共通了解であり、同様の見解がインドの仏教学者たちによっても表明されている。
ただ、トマス主義的な主流においては、善の学説を究極目的の理論に組みこんだアリストテレスの戦略が幅を利かせてきたため、あまたのアポリアに逢着することになった。アガンベンはそこから脱出する道を求めて、主体と行為の関係を「目的」のパラダイムとは別の仕方で考えようとする。
プラトンは『法律』で目的と手段の関係が中立化される領域として「遊び」を呼び起こした。タントラ仏教の『シヴァ・スートラ』では、幻惑に打ち克った覚者のなかで起きる変容が「踊り」というメタファーで記述されている。
目的との関係から解き放たれた「純粋な手段」としての政治(ベンヤミン)を「身振り」の空間に置き戻したとき、行為を超えたところで「新しい可能な使用」の道が開かれるのではないか。こう期待して、本書は閉じられる。

もくじ

1 カウサとクルパ
2 クリーメンとカルマン
3 意志のアポリア
4 行為を超えて

訳者あとがき
人名索引
参考文献

ジョルジョ・アガンベン

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(Giorgio Agamben) 1942年ローマ生まれ。ヴェネツィア建築大学教授を務めたのち、現在はズヴィッツェラ・イタリアーナ大学メンドリジオ建築アカデミーで教えている。主要著書に《ホモ・サケル》シリーズのほか、『中味のない人間』(1970)『スタンツェ』(1977)『幼児期と歴史』(1980)『言葉と死』(1982)『到来する共同体』(1990)『目的なき手段』(邦訳『人権のかなたに』1995)『残りの時』(2000)『涜神』(2005)『イタリア的カテゴリー』(2010)など。

上村忠男

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1941年兵庫県尼崎市に生まれる。1968年、東京大学大学院社会学研究科(国際関係論)修士課程修了。東京外国語大学名誉教授。学問論・思想史専攻。著書『ヴィーコの懐疑』(みすず書房、1988)『バロック人ヴィーコ』(同、1998)『歴史家と母たち——カルロ・ギンズブルグ論』(未來社、1994)『グラムシ 獄舎の思想』(青土社、2005)『現代イタリアの思想をよむ——〔増補新版〕クリオの手鏡』(平凡社、2009)『ヴィーコ——学問の起源へ』(中公新書、2009)『ヴィーコ論集成』(同、2017)ほか。訳書 アガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』(共訳、月曜社、2001)『瀆神』(共訳、月曜社、2005)『残りの時 パウロ講義』(岩波書店、2005)『幼児期と歴史』(岩波書店、2007)『例外状態』(共訳、未來社、2007)『言葉と死』(筑摩書房、2009)『いと高き貧しさ——修道院規則と生の形式』(共訳、みすず書房、2014)『身体の使用——脱構成的可能態の理論のために』(みすず書房、2016)『哲学とはなにか』(みすず書房、2017、第3回須賀敦子翻訳賞受賞)ほか多数。

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