genkai-shobo.jp
イースト新書

獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち

増えすぎた日本の野生動物たち

著者:田中淳夫/著
価格:860円+税
刊行日:2020/10/10

出版社:イースト・プレス
ISBN:978-4-7816-5127-9
Cコード:0230
[新書](社会科学総記)

「住処を奪われている」のは動物ではなく、人間の方だった。なぜこんなに増えたのか? 共存の道はあるのか?



内容紹介

「住処を奪われている」のは、人間の方だった。

食害、人身被害、生態系の破壊、そして感染症……
「動物愛護」だけでは解決しない、日本の緊急事態に迫る!

・鳥獣被害額は年間1000億円以上?
・列島全域が「奈良公園」状態
・寝たふりできないクマの激増ぶり
・レジ袋片手に冷蔵庫を荒らすサル
・ネコは猛獣。野生化ペットが殺す自然
・食べて減らす? 誤解だらけのジビエ振興
・獣害が生んだ新型コロナウイルス

近年、街中にシカやイノシシ、クマが出没して、よく騒ぎになっている。ニュースなどでよく目にする場面だが、そうした野生動物による「獣害」の深刻な実態を知る者は少ない。
駆除数はシカとイノシシだけで年間100万頭を優に超え、農林水産業被害の総額は、報告されていないものを含めれば年間1000憶を超えるといわれている。
「人間は動物の住処を奪っている」と思っている人は多いが、現在の日本においてはむしろ「動物が人間の住処を奪っている」のだ。
本書では、これまで様々な媒体で動物とヒト、そして森の関係を取り上げてきた森林ジャーナリスト・田中淳夫氏が「なぜ野生動物はこれほどまでに増えたのか?」「共存の道はあるのか?」といった難問に挑む。
動物愛護の精神だけでは解決しない「日本の大問題・獣害」について、偏見を捨て、改善に向けて現状を認識するための必読書。

もくじ

【目次】

▼第1章 日本列島は野生動物がいっぱい!
・身近な野生動物、イヌとネコ
・列島全域が「奈良公園」状態
・コンビニ前にたむろするイノシシ
・寝たふりできないクマ被害の激増
・レジ袋片手に庫を荒らすサル
・ラスカルは暴れん坊~外来動物の脅威

▼第2章 破壊される自然と人間社会
・鳥獣被害額は1000億円以上?
・森林を草原にする知られざる破壊力
・檻と化した集落に閉じ込められた人々
・ネコは猛獣。野生化ペットが殺す自然
・獣害が生んだ新型コロナウイルス

▼第3章 野生動物が増えた「真っ当な」理由
・国が野生動物を保護した時代
・仮説① 地球温暖化で冬を越しやすくなった?
・仮説② ハンターの減少で駆除数できない?
・仮説③ 天敵のニホンオオカミが絶滅した?
・飽食の時代を迎えた野生動物たち

▼第4章 食べて減らす? 迷走する獣害対策
・害獣駆除で生じる「もったいない」
・期待される猟友会の危うい現実
・野生動物がジビエになるまでの関門
・シカ肉がビジネスになりにくい理由
・野生動物の資源化と駆除の担い手
・獣害対策は防護と予防にあり

▼第5章 獣害列島の行く末
・トキは害鳥!苛烈な江戸時代の真実
・獣害が少なかった時代の謎解き
・戦後に激変した日本列島の自然
・撤退進む地方と狙われる都会
・「カワイイ」動物はなぜ生まれる?
・築けるか、人と野生の共生社会

田中淳夫

1959年大阪生まれ。静岡大学探検部での野生動物とのふれあいから森林に興味を抱く。同大学を卒業後、出版社、新聞社等を経て、フリーの森林ジャーナリストに。森と人の関係をテーマに執筆活動を続けている。 主な著作は『森は怪しいワンダーランド』『絶望の林業』(新泉社)、『森林異変』『森と日本人の1500年』(平凡社新書)、『鹿と日本人―野生との共生1000年の知恵』『樹木葬という選択』(築地書館)ほか多数。