学術選書
日本書紀の鳥
著者:山岸哲/著 宮澤豊穂/著
価格:2,200円+税
刊行日:2022/05
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出版社:京都大学学術出版会
ISBN:978-4-8140-0405-8
Cコード:1345
[全集・双書](生物学)
『日本書紀』には数多くの鳥が登場する。『万葉集』も同様だ。ところが登場する種とその頻度に注目すると,明らかに両者には違いがある。それは何故か?政治史の中に現れる生き物の謎に,日本を代表する鳥類学者が迫る。
内容紹介
『日本書紀』には数多くの鳥が登場する。『万葉集』も同様だ。ところが登場する種とその頻度に注目すると,明らかに『日本書紀』と『万葉集』には違いがあるのだ。それは何故か? 分布や形態・生態などの生物学的推論,記述のされ方の違いへの着目など,文字通り文理双方の視点からの考察で,古代人と鳥との関わりに迫り,政治史の中に現れる生き物の謎に迫る。フルカラー
もくじ
まえがき
1章 鶺鴒──伊奘諾尊・伊奘冉尊に性教育?
閑話鳥題 1 キセキレイの水洗トイレ
2章 鶏──常世の長鳴き鳥は東南アジアから
閑話鳥題 2 鳥居の起源
3章 翡翠(鴗爲)──皇居の翡翠
閑話鳥題 3 カワセミの求愛給餌
4章 鷦鷯──天皇の名前になった鳥
閑話鳥題 4 鷦鷯天皇
5章 鵜──『日本書紀』に鵜飼の起源
閑話鳥題 5 外国にもあった鵜飼
6章 千鳥──疑いをかけられた木花の開耶姫
閑話鳥題 6 千鳥足
7章 八咫烏──八咫烏は群れだった?
閑話鳥題 7 八咫烏と蹴球
8章 鴫──しぎの罠にイノシシが掛かる
閑話鳥題 8 辛酉(かのと・とり)
9章 金鵄──金鵄は陰陽五行説から?
閑話鳥題 9 金鵄と校章
10章 桃鳥・桃花鳥──桃花鳥はトキではない?
閑話鳥題 10 添い遂げたウモウダニ 日本産トキと一緒に絶滅
11章 雀──雀魚とはハリセンボン
閑話鳥題 11 日本にスズメは何羽いるのか
12章 白鳥── 鳴鵠はハクチョウか,それともコウノトリか?
閑話鳥題 12 豊岡市の「久々比神社」
13章 覚賀鳥──料理の祖神・磐鹿六雁命の故事
閑話鳥題 13 鶚鮨
14章 鳰鳥──潜りのスペシャリスト
閑話鳥題 14 カイツブリの親子
15章 鴨──古代から天皇はかも猟がお好き
閑話鳥題 15 鴨にする
16章 木菟──木菟宿禰は本当は鷦鷯宿禰
閑話鳥題 16 コノハズクとブッポウソウ
17章 隼──隼は鷦鷯より手が速い
閑話鳥題 17 JAXAの「はやぶさ」「こうのとり」
18章 鷹──鷹狩の起源と鷹匠の埴輪
閑話鳥題 18 鷲と鷹はどう違う?
19章 雁──「意味不明」の歌から種を推測してみる
閑話鳥題 19 堅田の落雁
20 章 百舌鳥── 仁徳陵(百舌鳥耳原中陵)の周りはモズだらけ
閑話鳥題 20 モズのはや贄
21章 鳩──兄妹の禁断の愛の忍び泣き
閑話鳥題 21 平和の鳩,戦闘の鳩,オリンピックの鳩
22章 鵞鳥──呉からの献上品を犬に噛み殺された話
閑話鳥題 22 侮蔑語と鳥
23章 孔雀──孔雀の尾はなぜ立派なのか
閑話鳥題 23 空想の鳥 朱雀と鳳凰
24章 鵲──大伴家持も驚愕する伝来の歴史
閑話鳥題 24 鵲の渡せる橋に置く霜の
25章 斑鳩──「斑鳩」は,なぜ「いかるが」か
閑話鳥題 25 斑鳩の里
26章 休留・茅鴟──四方八方を見通せるフクロウは知恵者
閑話鳥題 26 知恵の神様
27章 雉──「天に赤い気」はオーロラか?
閑話鳥題 27 鳴かずば雉も射られざらまし
28章 鸚鵡──新羅からの容姿端麗な人質が届けた鳥
閑話鳥題 28 オウムとインコの違い
29章 鴛鴦──あやしくなってきた「鴛鴦の契り」
閑話鳥題 29 鴛鴦之契
30章 燕──尾羽の長いツバメほどもてる
閑話鳥題 30 若いツバメ
31章 山鶏──日本鳥学会の「シンボル」
閑話鳥題 31 ヤマドリの復活
32章 臘子鳥──大群をなすから「集鳥」
閑話鳥題 32 霞網
33章 巫鳥──「神聖な・占いをする」巫鳥
閑話鳥題 33 佐久の草笛
34章 鸖──種名判定は難しい
閑話鳥題 34 マナヅルの渡り経路と非武装地帯
35章 古代の政治と鳥──なぜホトトギスやウグイスが登場しないのか
閑話鳥題 35 白色レグホーン
あとがき
謝辞
付表1 万葉集(登場首数)と『日本書紀』に現れた鳥類の登場回数
引用文献
事項・人名(神名)索引
種名索引
著者略歴・挿絵画家紹介
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